2023/04/28
物流事業者視点での産直ECの難しさと課題点
皆様こんにちは!日本物流開発コラム担当の「かんじ」です!
いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます!
産直ECについて、ご存じでしょうか?
産直ECとは、生産者直送の新鮮な農産物や水産物などを、インターネット上で消費者が直接購入できるECサイトのことを指します。「産地から直接消費者に商品を届けることで、中間マージンを抑え、生産者が適正な価格で販売できる」というメリットが存在します。
ただ、物流網の構築を間違えると、配送料の方が高くなってしまうリスクがあります。
今回は物流事業者視点で、産直ECを行うことの難しさを解説していきます!
トラックの運用
商品の集荷時に、トラックのスペースが空いた状態で商品を集めると、その分運賃が高くなり、配送料が上がってしまいます。トラック1台に余分なスペースなく詰め込めるだけの量を生産するか、近くの生産者と協力して、商品をトラックに乗せる必要があります。
また、「冷蔵・冷凍が必要な車両」を使う場合、運賃が高くなるので、常温保管でも大丈夫な商品と混載して載せると、割高な運賃になってしまいます。
配送拠点の確保
生産地から商品を各々の消費者の家までそれぞれ運ぶことは、非効率的で運賃が大きくなり過ぎてしまいます。その為、適切な位置の物流拠点で商品を集め、出荷方面ごとに商品を分けて発送する必要があります。
また、生産者側でパッケージの作成やラッピング等が出来ない場合、流通加工業務を受け付けている配送拠点を利用する必要があります。
取扱商品によっては、許認可を得ている必要があるので、その点でもハードルが高いです。
作業を移管することで、拠点によっては作業料が高くなってしまうリスクもあります。
人材の確保
中間マージンを省くということは、卸・小売で行われていた業務を「生産者」か「物流会社」、「運営会社」のいずれかで行う必要があることを意味します。それぞれの専門以外に別の専門性を持った人材の確保が必要になります。
自分の業界以外のことを学習して実践できる人材の確保をすることはかなり難しいことを知っておく必要があります。
人材の養成にコストをかけ過ぎると、卸小売を利用する時よりもコストがかかってしまうリスクがあります。
商品品質の担保
卸売が担っていた商品の品質担保を「運営会社」もしくは「物流会社」が行う必要があります。また、「商品不良があった場合の対応をどうするか」についても事前に協議しておく必要があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
中間事業者を使わずに、新たな業務を行う際は、高い専門性が必要です。
選定する事業者を間違えると、思わぬところでコストがかかってしまうリスクがあります。事業者間のコミュニケーションを密に図っていく必要性があります。
当社は流通加工業務を得意とした物流会社です。食品小分け業の許可を取得しており、商品の三温度帯管理が可能です。
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