2023/09/04
薬機法を理解して物流の幅を広げよう!
皆様こんにちは!日本物流開発のコラム担当の「一」です!
いつも当コラムをご愛読いただきありがとうございます!
暑い日が続いており熱中症や冷房にあたりすぎた等様々な要因で体調を崩してしまうことが多いと思います。病院に行くほどでもないときに常備薬として薬を購入するのにECで薬を買う方も最近は多いのではないでしょうか。EC物流を行う物流会社には薬機法に則った資格や許可を得ることで医薬品などを取り扱うことが出来ます。今回は物流会社と薬機法について解説していきたいと思います!
薬機法とは
薬機法とは正式名称「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保に関する法律」となっており、製造や表示、販売、流通、広告など様々な医薬品を扱う上で必要になる法律のことです。薬機法では医薬品、医療機器だけでなく医薬部外品化粧品、再生医療等製品も対象となっており、かなり幅広い法律となっています。その中でも化粧品や医薬部外品をECで購入する方は非常に多いと思います。ではそれらを取り扱う為にはどのような許可や認可、設備が必要なのでしょうか。
薬機法に則った商材と取扱許可
薬機法に則った商品を取り扱う場合、書類提出を行い、各種許可を取る必要があります。
医療機器
医療機器には不具合時の人体への影響度合いによって以下に分類されています。
・高度管理医療機器
患者への侵襲性が高く不具合が生じた場合生命の危機に直結又は人体へのリスクが高いと想定されるもの
例)
透析器、人工骨、人工呼吸器、コンタクトレンズ、AED等
・管理医療機器
不具合が生じた場合の人体へのリスクが比較的低いもの
例)
電気マッサージ器、補聴器、歯科用金属、電子血圧計等
・一般医療機器
不具合が生じた場合のリスクが極めて低いもの
例)
絆創膏、メガネレンズ、X線フィルム等
化粧品製造業許可
化粧品を取り扱うにあたり化粧品製造業許可を取得する必要があります。化粧品製造業は【一般】と【包装・表示・保管】の2つの区分に分かれており、化粧品の製造、その他付随業務を行う為にはいずれかの区分を選択して許可申請を行う必要があります。
【一般区分】:製造工程の内すべて、又は一部の工程を行うことが可能です。
【包装・表示・保管】
包装:化粧品を梱包装する行為
表示:ラベル張りや日本語ラベルの貼り付け
保管:製品検査結果が出る前の商品保管から市場への出荷行為
を行うことが可能です。
※小分け作業は含まれていないので小分け作業を行う場合には一般区分の取得をする必要があります。
許可取得の為の環境整備
どのような許可を取得するか決まったら環境を整える必要があります。今回、化粧品製造業の【包装・表示・保管】区分の取得を行うことを想定しどのような環境整備が必要なのかを紹介します。
責任技術者
薬機法に対応した専門の責任者を配置する必要があります。条件としては
・薬剤師
・高校、高専、大学等で薬学又は化学専門課程を修了
・高校、高専、大学等で、薬学又は化学の科目を修得し、その後
化粧品(又は部外品・医薬品)の品質管理又は安全管理業務に3年従事
・許可取得事業者において品質管理・安全管理に5年以上従事
上記いずれかを満たしている必要があります。
保管場所整備
化粧品の保管を行う際には各区分によって決められている条件を満たす必要があります。
【一般区分】
・製品を製造するのに必要な設備及び器具を備えていること
・作業所は次に定めるところに適合するものであること
- 換気が適切であり、かつ、清潔であること
- 常時居住する場所および不潔な場所から明確に区別されていること
- 作業を行うのに支障のない面積を有すること
- 防塵、防虫及び防鼠の為の構造又は設備を有すること
- 床は板張り、コンクリート又はこれらに準ずるものであること
- 廃水および廃棄物の処理に要する設備又は器具を備えていること
・製品、原料及び資材を衛生的にかつ安全に貯蔵する為に必要な設備を有すること
・製品等及び資材の試験検査に必要な設備及び器具を備えていること
ただし、当該製造業者等の他の試験検査設備又は他の試験検査機関を利用して自己の
責任において当該試験検査を行う場合であって障害がないと認められるときはこの限
りではない
【包装・表示・保管】
・製品、原料および資材を衛生的に、かつ、安全に貯蔵するために必要な設備を有すること
・作業を適切に行うのに支障のない面積を有すること。
・製品等および資材の試験検査に必要な設備および器具を備えていること。
ただし、当該製造業者等の他の試験検査設備または他の試験検査機関を利用して自己の責任において当該試験検査を行う場合であって、支障がないと認められるときは、この限りでない。
まとめ
高度管理医療機器や化粧品を取り扱う為にはこのように様々な許可を得ることで対応することが出来ます。一見ハードルが高いようにも見えますが人体や健康に直結する為非常に細かな条件が設定されています。その後書類の作成申請を行いますが申請書以外に多くの書類を提出する必要があります。それらの書類は各都道府県ごとに若干の違いがあるので許可申請を考えている方は是非一度確認してみてください!