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2022/09/30

物流のキホン:「5S」ってなに?

日本物流開発コラム担当です! いつも当コラムをご愛読いただき誠にありがとうございます!

生産現場や物流現場など、現場で非常に重要とされている「5S」について解説してきます。物流委託を考えている荷主の皆様!倉庫見学に行かれた際は、ぜひこの「5S」に注目してみてください!

それではどうぞ!

5Sとは

5Sとは、整理・整頓・清掃・清潔・しつけの5つの頭文字Sをまとめた言葉で、現場の環境を整えるための活動・考え方を指します。よく、現場では「まずは基本の3S(整理・整頓・清掃)を徹底して、清潔・しつけの5Sに繋げなさい」と言われたりします。

5Sという考え方は、日本の製造現場で登場してきたといわれています。そのため、海外の現場でも、「整理(Seiri)・整頓(Seiton)・清掃(Seisou)・清潔(Seiketsu)・しつけ(Shitsuke))とローマ字で表記されているようです。

5Sの目的は、単に現場をキレイにすることに留まらず、現場を改善することにあります。5Sを徹底していくことにより、「安全・品質・生産性」を向上させていくものとして、現場で実践されています。整理整頓がされていない現場では、事故や誤出荷等の危険な状態に陥りやすいです。また、清掃が行き届いていなければ作業環境は悪化していき、自ずと品質は低下します。そうした様々な阻害要因があれば生産性は低下してしまいます。逆に5Sが徹底されれば、そこで働く従業員のモチベーションが改善される一助になったり、整理された環境でのオペレーションミス等も減っていき、それらの潜在変数が向上した結果として「安全・品質・生産性」が向上していきます。実際に、私が以前勤めていた配送センターで、5Sを徹底してセンター改善に努めた結果、ドライバーのモチベーション向上に成功しました。実際に取り組んだ施策としてはそれ以外のこともありますが、ドライバーからは「やっぱり綺麗な現場に出勤してくるだけで、“頑張るか!”とテンション上がる」といったお声をいただきました。「たかが掃除でしょ?」という方もいらっしゃるかと思いますが、それほど5Sを徹底することは重要なのです。

整理・整頓・清掃・清潔・躾それぞれの意味

整理・整頓

最初は整理・整頓という似ているように感じる2つについて解説していきます。整理とは不要なものを捨てていくこと、整頓とはものを所定の位置を決めておくこと、になります。「何を当たり前なことを…」と思うかもしれませんが、実は多くの現場では出来ていないことが多いです。特に整頓が出来ていない現場は多く、作業道具をいったん出して元に戻さずそこらへんに放置したまま忘れてしまうといったことが多いです。その結果、例えば「この前ここに置いてあったカッターがない?!」と探して余計な時間が発生してしまうような生産性低下の事態に繋がります。

ここで大事なことは、①誰が見てもわかるよう、掲示物・所定位置を用意すること、②それを守っていない人を見かけたら、そのたびに伝達・指導していくことが重要です。「ここに決めたから」と簡単な伝達と掲示で済ませてしまう方が多いのですが、見やすく一発で収納場所がわかる掲示物を作っていくこと、それを定期的に伝えていく、という労力をかけていくことで残り3つのSの精度が変わってきます。

清掃・清潔

先ほどと同様、こちらの「清掃・清潔」についても合わせて説明していきます。清掃は文字通りごみやチリ、機械の油等の汚れがない状態にすることを指します。5Sと言われて「きれいにすることだ」とここの部分ばかりに着手してしまう現場も多いです。

清潔とは、先ほどまでの3Sで綺麗にされた現場環境の水準を保つことを指します。3Sで綺麗になった現場で、ルールを決めてそれらをきちんと守っていくことを指します。自分の所感になりますが、3Sが出来ていても「清潔」まできちんとしていくのは労力がいります。普通に3Sを気を付けているだけでは、現場の環境水準が自然に低下していく速度にかなわないからです。

ここでは、キチンとルールを決めて徹底していく、ということが重要です。その際に意識すべきことは、管理者だけでなく現場の全員が清潔の基準を意識させることです。これにより全員が環境水準を意識して取り組んでくれるので、環境が保たれることになります。

しつけ

5S活動におけるしつけとは、3Sで綺麗になった現場水準を保つために、ルールを決めて習慣化していくことです。短期就業者も含め多くの作業者がいる中で、初めて現場にきた人でも3Sを徹底できるようしくみを化していくことが求められます。

例えば、「この時間からこの時間は掃除をしましょう」「これを使ったらここに戻してね」といったことを、「整頓」の際に解説した掲示物のような形で明示したり、それを作業者全員に落とし込んでいけるよう指導していくことが、しつけにあたります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、物流や生産の現場で重要とされる5Sについて解説いたしました。「たかが掃除とかでしょ?」と思っていた方も、これら一歩一歩の取り組みが「安全・品質・生産性」に影響していくものだと少しでもご理解いただけると幸いです。

物流担当者の皆様、生産管理者の皆様、皆様の現場の5Sを一度見直してみませんか?

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