2023/03/17
なぜ中国のEC化率は欧米より高いのか
こんにちは!日本物流開発のコラム担当の「晶晶(しょうしょう)」です!
いつも当コラムをご愛読いただき、ありがとうございます!
ECの市場規模においては中国と米国が世界の7割のシェアを占めております。米国は他国と比較して市場規模は国別シェアでは、世界2位となっています。国別EC市場では中国は52.1%と圧倒的なシェアとなっています。ではなぜ中国EC市場は世界1位となったか、要因を解説します。
◆国別EC市場シェア
参考:経済産業省『令和3年度電子商取引に関する市場調査報告書』
- 要因1:実際の店舗コスト
中国国内で実店舗を運営する際のコストは意外と高く、税金や家賃、光熱費、店舗のインテリア購入、維持費用、人件費用など様々な基本コストを掛かります。商品の仕入れ原価は日本と比べて結構安く仕入れが出来ます。しかし、基本コストを含めて商品の売価を高く設定することが多く、店舗の運営に際しては、消費者の来店人数にも制限があります。しかし、ネット通販の場合は、上記の基本コストを抑えることができる為、商品を安く提供することが可能となり、お客様の購入数の増加にも繋がっております。
- 要因2:経済発展
中国の実質GDP成長率 は、2020年(2.2%)、2021年(8.4%)、2022年(3.0%)となっており経済発展と共に、消費者の購買需要が高くなっております。その要因としては、ECネット通販は必要コストを抑えている為、同じ商品を、実店舗で購入するより、単価が半値近くで購入できる為、国民のネット通販の利用は増加し、経済発展に繋がっています。
出典:実質GDP成長率、:IMF “World Economic Outlook Database”
- 要因3:人口密度
中国は世界で最も人口が多い国であり、一平方キロメートルあたりの平均人口密度は 143 人で、世界の平均人口密度の 3.3 倍です。人口密度の高い地域には、物流センターが設置されており、輸送の高速化を実現しています。
- 要因4:中国のECネット通販
欧米の場合、小売業とメーカーはそれぞれ自社のECサイトを運営します。纏めて購入できるECネット通販Amazonはアメリカのシェア率41.4%となります。しかし中国のEC通販シェア率は75%がアリババとタオバオとなります。中国の小売業メーカーは集中してアリババ、タオバオでネットショップを出店しています。消費者はアリババ、タオバオを利用し簡単にネットで買い物ができます。
アリババ、タオバオのアカウントを一つ申請したら、このネットサイトで小売業、メーカー、ブランド商品がほぼ購入できます。また、海外の自社サイトより、中国で一つのアカウントを持つことで、商品の購入から会計までとても利便性があります。
さらに、中国政府はEC通販を拡大支援の為、中国国内でも海外ブランド商品の購入が可能になるようにしています。例えば、欧米ブランド商品は直接店舗で購入をすることがありますが、中国の場合はネット通販で海外商品を購入することが一番多いです。
- 要因5:中国の物流発展と利便性
中国のEC通販の拡大と共に、物流業も拡大しています。中国最大の「スマート物流順豊、京東、菜鸟驿站」は商品の入庫から出荷まで最短で半日で対応しております。例えば、ネットで商品購入⇒近く物流拠点⇒物流独自WMS⇒検品出荷⇒自社配達員⇒商品配達完了。この物流ネットワーク中に、「自社配達員」の規模は海外と全く違います。例えば、中国で一番トップの物流会社で1つ拠点は1000人の自社配達員が確保しております。自社の配達員の人数確保と物流拠点の集中で、商品を注文から出荷まで短時間で対応ができます。
まとめ
中国のECネット通販は、海外のECネットと比べ、通販規模や運営方法、物流サービスなどと、多少の違いはありますが、アリババ、タオバオのアカウントを持っていることで、国内、海外の商品を購入ができます。
また将来、中国のネット通販は、技術的な革新だけではなく、製品の特性に合わした良い品質と安心に使用できる商品が重要となってきます。その為には、物流面では商品の流通加工やスピーディーで細かいラッピング対応が重要となります。