2022/10/04
円安より極度の米ドル高、為替相場から見るこれからのIT分野
日本物流開発コラム担当の「かんじ」です! いつも当コラムをご愛読いただき誠にありがとうございます!
ここ最近の円安について、皆さんはどうお考えでしょうか?他のどの為替相場比べても円安が進んでいます。ですが、為替レートが大きく変化しているのは、実は一部だけというのはご存じでしょうか?
今回は、「為替相場の変動によるIT分野への影響」を社内エンジニアでもある私が解説していきます!
それではどうぞ!
通貨価値が異常に高騰している国は一部だけ
まず、2021年5月28日と2022年10月2日を比較した円相場の変化を見ていきましょう。
表を見ればわかる通り、ニュースでよく見る「米ドル145円越え」のような増加率にあるのはほんの一部にすぎません。他に大きく上昇している国としては、中国経済圏や石油輸出国が中心的です。
ICTが進んでいる国の大半は、通貨価値の上昇率が低くなっております。感覚値としては、「米ドル115円になった」程度でしょう。
為替相場がもたらすIT分野の変革
ソフトウェアやWEBサービスなどは、人件費が大半を占める分野です。通貨価格の上昇は人件費の高騰を意味します。この点を考えると、アメリカはエンジニアのコストが相対的に高くなるため、開発費の高騰が考えられます。一方で、ヨーロッパ圏や日韓豪などの国では、相対的な開発コストは抑えられるので、かなりの優位性を持つでしょう。
アメリカと日本では、社内エンジニアの割合の点でも今後の成長率が違います。アメリカが「社内エンジニア7割、ベンダー3割」に対して、日本は「社内エンジニア3割、ベンダー7割」と言われます。この為、アメリカは営業コストを抑えることが出来ています。裏を返せば、これ以上営業コストを抑える手立てがないことを意味します。一方で、日本は営業コストを減らす余地があるので、かなり有利になることが考えられます。おそらく数年で社内エンジニアの割合が激増するはずです。理由としては、2022年に高校生を対象とした、プログラミング科目の必修化が実施されるからです。「3年後に高卒枠の人材」、「5年後に短大専門卒の人材」、「7年後に大卒枠の人材」が社会進出してきます。
WEB系プログラミングは英語より学習が容易な点を踏まえると、IT企業でない所にも、今の現役エンジニアより能力が高い人材が入社してくるはずです。そうなると、ITベンダーの必要性は低下し、社内エンジニアの割合が増え、営業コストが大幅に下がってくるでしょう。
為替相場の影響と営業コストの低下により、日系企業におけるソフト面の開発は、アメリカと比べてかなり優位になるでしょう。ただ、「為替相場の面では、ヨーロッパ圏や韓国、オーストラリアも優位であること」には注意が必要です。
ハードウェアに関しては、物的コストが多くかかる分野です。通貨価格の上昇は購買力の増加を意味します。この点に関しては、アメリカがかなり優位になるでしょう。中国も通貨価値の上昇に加えて、技術水準もかなり高くなっているので、優位になる可能性が高いです。
日本は円安の状況を考えると、購買力の低下が考えられます。資材費のウェイトが軽いハードウェアが今後登場してくる可能性が高そうです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ヨーロッパの通貨がそれほど増加していないことは、私自身かなり驚きでしたね!
休日に「貯金が目減りしているなぁ」と思い、なんとなくユーロ相場を見たら意外と低かったことがきっかけですね!調査してみると、意外と円が暴落してなかったので、驚きとともに少しの安堵を感じました(笑)
とはいっても、為替相場は変動するものです。数年のうちに大きく状況が変わることも考えられます。あまり不安は抱えずに、「この状況だったらどうするか」を考えて行動できるようにしておきましょう!