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2023/01/20

物流のキホン:ピッキングについて

日本物流開発 コラム担当の「かんじ」です。 いつも当コラムをご愛読いただき誠にありがとうございます! 今回は、出荷業務の要とも言える「ピッキング」について、解説していきます。

2種類のピッキング方式

ピッキングの運用方法は、要件に応じて変わるため数多くあります。これらピッキングの運用方法は、「シングルピッキング」と「トータルピッキング」の2種類に分類することが可能です。

シングルピッキング(摘み取り方式)

シングルピッキングは、「出荷先毎に、保管場所に商品を取りに行く」という運用方法です。商品を一つずつ摘み取っていく様から、摘み取り方式とも言われております。

トータルピッキング(種まき方式)

トータルピッキングは、「先に一か所に集めて置き、その後に出荷先毎に商品を分ける」という運用方法です。種をまくように商品を振り分ける様から、種まき方式とも呼ばれています。

どちらの方式を利用するのか

基本的には、「出荷先の数」と「出荷商品の種類」どちらが多いかによって判断します。例を2つ挙げるので、一度考えてみましょう。

出荷先の数が2件で、出荷商品が50種類とします。この場合は、商品を一つずつ取りに行くフローを2周する「シングルピッキング」の方が向いています。50種類を集めてきて、2件別々に仕分ける「トータルピッキング」では時間が掛かりすぎてしまいます。

出荷先の数が50件で、出荷商品2種類とします。「シングルピッキング」の時は、50周繰り返しピッキングしなければなりません。一方で、「トータルピッキング」は25個箱を一気に並べて、流れ作業で1種類ずつ商品を入れていく運用をするとします。「箱を並べる作業を2周」と「2種類の商品を入れる作業を2周ずつ」をするだけでよいので、6周するだけで作業を終わらせることが出来ます。

下記のような形で覚えておくといいと思います。

「出荷先の数」<「出荷商品の種類」なら「シングルピッキング」

「出荷先の数」>「出荷商品の種類」なら「トータルピッキング」

ピッキングと検品の関係性

品質か生産性か

ピッキングの品質と生産性は、前後の検品によって大きく変化します。在庫の一致を行う為に、入荷時と梱包時に検品を行います。検品に不備があると、ピッキング時に「商品が足りなくて出荷できない」、「違う商品が出荷される」などの問題が生じます。ただ、ピッキングの品質が高ければ高いほど、作業工程が増加し生産性が低下する傾向にあります。

物流品質を一定まで落としても問題がない要件の時は、検品品質を落として生産性を高める場合もあります。

消費者に直接商品が届く場合は、誤出荷が信用の失墜に繋がるため、検品品質を下げることはできません。一方で、店舗への発送の場合は、売り出し方を変えれば解決するため、消費者の評価に影響はありません。この条件下では、「金銭的にどちらの方で採算が合うのか」が重要になります。

コスト計算については、過去にシミュレーションをした記事を上げております。

ぜひ、下記リンクからご確認ください。

【シミュレーション】入荷時の検品工程を減らすことは出来るのか

1個当たりの単価や商品量によっても変わるので、一度計算したうえで物流センター経験者に聞いてみることをお勧めします。

HHT(ハンディ―ターミナル)による品質と生産性

HHTとは、持ち運び可能な業務用の情報端末のことです。端末種類によって搭載されている機能は異なります。「バーコード」や「QRコード」などでの読み取りにより、「検品」、「ピッキング」、「在庫管理」、「棚卸」などの用途で利用されます。

検品用途では、バーコードに一つずつ端末をあてていくだけなので、「数えること」や「商品を確認する」といった工数を減らすことが可能です。

保管場所が表示されるものだと、紙のリストを見る必要がなく、指示通りに作業を進められます。「ピッキング」と「検品」を同時に行うような運用も可能です。「商品の入れ忘れや見落とし」などのミスを減らし、「商品の確認」といった工数も減らすことで、品質や生産性を向上させます。在庫管理を行う際も、機械を通していけばいいので、一定水準の精度を担保することが出来ます。

HHTは「大量の商品」を「とても早く」、「高品質」で処理をすることには何よりも長けています。一方で、HTTだけで最高品質の処理が出来るかというと、話は大きく変わります。

商品の管理は「バーコード」や「QRコード」などの「ラベル」で行われるため、「商品」と「ラベル」が一致していなければ、誤った商品管理が行われます。他にも、ロット単位での出荷であれば、「画面に表示されている1ロット」を「1個」と間違える作業者も出てきます。時期によって物量に波がある部門では、派遣社員も入れて作業することがあるため、出荷ミスが生じやすくなります。

「最高品質の処理」に関しては、「機械」だけでなく「熟練の作業者」も必要となります。

まとめ

「求められる品質によって、必要なコストが大きく変わること」や「機械だけでなく熟練の作業者が必要なこと」などを理解していただけましたでしょうか。

当社は、EC事業者様向けの事業を展開しております。その為、品質重視の活動を行っております。検品過程で熟練のスタッフがHHTを利用して検品を行っております。

他にも、「ギフトラッピング」のような流通加工も行っております。

倉庫見学も行っておりますので、下記リンクからぜひお問い合わせください!

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