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2022/09/23

物流のキホン:マテハンってなんだ?

日本物流開発コラム担当です! いつも当コラムをご愛読いただき誠にありがとうございます!

今回は、物流業界に携わったことのある人間なら、誰しも一度は聞いたことのある「マテハン機器」について、解説していこうと思います!

それではどうぞ!

マテハンとは

「マテハン」とは物流や製造の現場で使われる言葉で、「マテリアルハンドリング」の略称になります。マテリアルハンドリングとは、材料や製品などのモノを運搬する作業一般のことを指し、主に現場では「マテハン機器:マテリアルハンドリングを効率化・自動化する機器」という言葉で登場します。製造や物流の現場では、貨物の運搬や保管といった様々な業務があり、そのどれもが肉体を伴うかなりの重労働です。マテハン機器を用いることで、それらを効率的に運搬することが出来ます。

マテハン機器を導入することによるメリット・注意点

メリット

マテハン導入の最大のメリットは、作業に要する人的・時間的コストを削減できることです。例えば、パレットに載って入庫された商品を保管場所に移動したいとき、それらを人の手のみで運ぶのは莫大な時間と労力がかかります。フォークリフトを利用することで、人力だけよりも簡単に運搬することが出来ます。これはごく単純な例ですが、このようにマテハン機器を導入していくことで、業務での省人化・効率化を図ることが出来ます。

また、フォークリフト等の肉体労働を軽減するものや自動ピッキングマシーン等の自動化できるマテハンを導入することで、今まで作業者が抱えていた負担や手間を減らし、ヒューマンエラー削減を見込めるのも大きなメリットです。

注意点

マテハンを導入する上での最大のデメリットは、「期待していた費用対効果が得られない場合がある」ことです。ここ近年での技術力の進歩は凄まじく、物流業界のDX化は大きく進んできました。しかし、そのように進化してきた技術力をもってしても物流の最新鋭設備の自動化ロボットを導入しても期待通りの生産性向上が図れなかったり、人の手で取り組んだ方が生産性が高いことが往々にしてあるのが現状です。

将来的に機械が人を超えるのは明白ですが、殊更自動化の分野が絡んできた場合でも人の生産性が高い分野も多いです。

マテハン機器の種類 

さて、そのようにご紹介してきたマテハン機器ですが、具体的にどんなものがあるかイメージが湧く方はいらっしゃいますか?

今回は、物流倉庫内での作業を幾つかピックアップし、それにまつわるマテハン機器を紹介します!

入荷/出荷

倉庫作業において最初と最後に発生するのが入出荷作業です。主に、トラックなどから荷下ろしして施設へ荷物を入れることを入荷、施設からトラックなどへ荷物を積み込むことを出荷と言います。状況によっては危険な作業が発生する積み込み・荷下ろしの場面では、多くのマテハン機器が導入されています。

フォークリフト

物流倉庫・製造現場に限らず、港湾施設などの様々な現場で活躍しているのがフォークリフトです。物流・製造の現場に携わっている方なら、はじめに思い浮かべるマテハン機器といえば、フォークリフトではないでしょうか?重量物の運搬が軽々できること、小回りが利く操作性の良さから、様々な現場で活躍しています。輸送トラックへの積み込み・積み下ろし、倉庫内での荷物の運搬作業や保管作業等、その用途は多岐に渡ります。今日の物流現場を支える最大のマテハンといっても過言ではないでしょう。

また、近年は操縦者を必要としないものも登場しています。フォークリフトの操縦には専門の講習を修了した人材(フォークマン等と言われたりします)が必要なのですが、近年の労働力不足でフォークマンが足りていないこと現場も多くあります。そこで、操縦者を必要としないフォークリフトが登場してきたのです。現在の技術力では操縦者がいた方がより効率的に作業できますが、近い将来無人で荷下ろしから保管作業まで高速で行えるようになるでしょう。

仕分け

コンベア(ベルトコンベア)

TVで製造ラインを見たときによく見るのがベルトコンベアです。レーン上に載ったものを人の力に頼らずに移動させることが出来ます。マシンアームや人と共に加工作業をしたり、仕分け等の作業に使うことが多く、作業がしやすい高さにレーンがくるように設計されていることが多いです。

ソーター(自動仕分機)

ソーターは設定した内容で、荷物を納品先や品目毎でコンベアを用いて自動で仕分けることが出来るマテハン機器です。仕分け業務といえば重たい荷物を納品先や配送ルートごとに仕分ける際に重労働になり尚且つ正確性を求められる業務ですが、ソーターを用いることで、作業の省人化、人的ミス削減によるミス発生率の低下を見込めるでしょう。

保管

パレット

「え?パレットってマテハン機器なの?」となった方、そうです!パレットも立派なマテハン機器なのです。…最初は私も知りませんでした(笑)。

パレットとは、荷役、輸送、及び保管の全てが可能な構造をもつ、荷物を載せる台のことを指します。保管や荷揃え、輸送を行う際、パレットに載せることにより一度に大量の荷物を処理することが出来ます。

プラスチック、木、金属などさまざまな素材が使用されていますが、そのサイズも様々です。日本国内では「T11型パレット(イチイチ)」と呼ばれる、横1,100mm×奥行き1,100mm×高さ144mmの大きさのパレットが使用されています。

カゴ車

食品スーパーの裏手等でたびたび見るカゴ車も立派な保管・運搬用のマテハンの一つです。主にスチール製や樹脂製のものが多く、「カゴ車」「ロールボックス(RB)」「カーゴテナー」等と呼ばれています。台車側面が格子状の壁を利用することで、荷物を積み重ねても荷崩れせずに、安定した状態で運搬出来ます。私が以前就業していた現場では、カゴ車で荷物を保管していたこともありました。

こちらも、パレット同様様々なサイズがありますが、最も流通しているサイズは横1,100mm×奥行800mm×高さ1,700mmの大きさのようです。流動性の高い保管スペースであることが強みのマテハン機器ですので、使用していない時に場所をとらないよう、「く」の字型に折り畳めるタイプも多いです(更に折りたたんで収納スペースを減らすことが出来るタイプもあります)。

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は、物流・製造業に関係する方なら一度は聞いたことのあるマテハン機器について取り上げてきました。

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