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2022/09/16

物流のキホン:ラストワンマイルとは?

日本物流開発コラム担当です! いつも当コラムをご愛読いただき誠にありがとうございます!

今回は、当社が所属する「丸和運輸機関グループ」の強みである「ラストワンマイル」について解説していこうと思います。「ラストワンマイルってなんだ?」となった皆様にもわかりやすく解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください!

ラストワンマイルとは?

物流における「ラストワンマイル」とは皆様どういったものを指すかご存じでしょうか?物流におけるラストワンマイルとは、「最終配送拠点からお客様のお手元に届くまでの最後の区間・接点」のことを指します。イメージしやすいところでいうと、皆様のご自宅に届く宅配便がそれにあたります。

決して最後の1マイル(約1.6km)という意味ではありません(笑)。

元々は通信業界で使用されていた言葉らしく、「社会で生活する人々に向けて通信を提供する最後の区間」という意味で使用されていたようです。その“通信”が“貨物”に置き換わり、今日の物流業界で広く使われているのですね!

昨今での物流における課題として、このラストワンマイルが多く取り上げられます。その理由として、①以前よりも物流DXが進んできた中で圧倒的に人的資源に頼り切ってしまっていること、②近年のEC事業の高まりでラストワンマイルに注目が集まっていることです。

それでは、ラストワンマイルの抱える課題と共に、物流業界に切り込んでみましょう!

ラストワンマイルの課題①:ドライバーの数不足

物流業界、ことさらにラストワンマイル配送やトラック輸送の輸配送の現場においては、慢性的なドライバー不足に悩まされています。業務の特性上、ドライバーは長時間拘束されることが多く、就業環境が悪化しやすい傾向にあります。また、キャリアプランも外部から見ると不明瞭です。そのような環境を毛嫌いする人も多く、就職する人が少ないのが現状です。更に、昨今のITブームによる業界の就職人気度の更なる低下、そして少子化による労働力人口の不足が更なる拍車をかけています。そうなると、人手不足による更なる労働環境の悪化が進み、また人がよりつかなくなり…といった負の循環に陥っています。

物流の中で最も重要な「貨物をある地点から別の地点に移す」輸配送が破綻することは、社会インフラである物流業界、ひいては現在の社会構造そのものの破綻を意味します。それほどまでに、この問題は深刻なのです。

ラストワンマイルの課題②: 上がり続ける物量と求められる配送品質

運び手がいない点も大きな問題ですが、その一方で物流に求められているキャパシティ・クオリティが上昇しているのも問題となっています。

昨今のECが発展する中で、宅配便の取り扱い実績は大幅に増加しています。特に、ここ数年での宅配便取扱個数は大幅に増加しており、昨今のEC業界の高まりを考えれば、今後も更に物量が増加するのは火を見るよりも明らかです。

そのやって物量が増えていく中で問題となるのが、求められる配送品質の上昇です。

現在大手ECモールサイトを中心に、「当日出荷、翌日配送」や「当日お急ぎ便、時間指定便」等の高い配送クオリティが中心となり、エンドユーザーもそれが当たり前の世の中になってきました。確かに、エンドユーザーの視点からすれば非常に嬉しい特典ですが、物流業者側では更なる逼迫を生むことになります。更に、事業者によっては車立て(1日荷物を何個運んでも定額料金)での支払いを行っている業者もあり、これらの配送サービスを実質ほぼ無料で提供せざるを得ない物流業者も多く存在しているのです。

ラストワンマイル網の解決策?!フィジカルインターネットとは?

このような問題の解決策として、近年「フィジカルインターネット」という概念に注目が集まっています。フィジカルインターネットとは、複数の企業が保有する倉庫やトラックをシェアリングし、物資を効率的に輸送しようとする、新しい「物流システム」の考え方を指します。

フィジカルインターネットについては、過去の記事にてご紹介したこともありますので、ぜひそちらもご一読ください!

現在ラストワンマイルの現場でこちらの問題を解決するための取り組みがなされていますが、あまりうまくいっていないのが現状です。物流DXが叫ばれていながらも、自動運転や配送ロボット等の利用にはまだまだ時間がかかるでしょう。

しかし、殊更にフィジカルインターネットの分野では、他の取り組みよりかは比較的進んでいます。海外では、大手物流企業がこのフィジカルインターネット網の構築に尽力している他、日本でも「貨物と配送事業者をマッチングさせるサービス」なんていうのも登場しており、昨今の課題解決にはまだまだ遠い道のりですが、ロボット化・自動化よりも早く、ラストワンマイルの現場への光明となるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、昨今良く耳にするようになった「ラストワンマイル」について、解説してまいりました。

ECに関わる荷主様にとって、ラストワンマイルの崩壊は文字通り「物流業界の崩壊、ひいては荷物を受け取るお客様へのサービスレベルの大きな低下」を意味します。物流に関わり我々だけでなく、EC事業に関わる荷主様も含めて、この問題を深刻に捉えて対策を練らないといけません。

当社は、EC業界でこの「ラストワンマイル」を得意とする丸和運輸機関のグループ企業です。ラストワンマイルのことに限らず、EC物流でお困りの方はこちらまでお問い合わせください!

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