2022/10/27
物流のキホン:物流センターとは(TC編)
日本物流開発コラム担当の「かんじ」です! いつも当コラムをご愛読いただき誠にありがとうございます!
今回も5本+αのシリーズで、物流効率化の中核とも言える「物流センター」について解説していきます。第2回目は、通過型センターとも言われる「TC」について解説していきます。
第1回目:物流センターとは(DC編)
第2回目:物流センターとは(TC編)
第3回目:物流センターとは(PC編)
第4回目:物流センターとは(配送センター編)
第5回目:物流センターとは(デポ編)
第6回目:物流センターとは(倉庫・法律編)
第7回目:物流センターとは(貨物運送・法律編)
物流センターとは
物流センターとは、モノの流れをより効率的にする為の拠点のことです。倉庫とは違い、商品を効率的に動かして、トラックでの無駄な移動を減らす役割があります。配送センターのように「貨物自動車運送事業の運送契約で、一時保管するだけ」であれば、営業倉庫の登録が不要な場合もあります。
物流センターの種類は大きく分けて、「DC」「TC」「PC」「デポ」「配送センター」の5つに分けられます。今回はTCについて解説していきます。
TCの特徴と役割
TCとはトランスファーセンターの略称で、通過型の物流拠点のことを指します。主な役割は、入荷した商品を仕分けすることで、無駄な貨物の移動を減らし、輸配送網の効率化を図ることです。DCとは違い、在庫を持たないことで保管コストを最小限で済ませられることが特徴です。
役割に関しては、TC1型とTC2型のどちらかによって大きく違いがあります。
TC1型
TC1型では、入荷した商品の開梱・検品を行います。検品が終わり次第、店舗別仕分けを行い、発送を行います。
開梱・検品が不要な場合は、店舗別仕分け(ケース)を行うだけのクロスドッキングをすることが可能です。クロスドッキングを行うことで、余分な作業コストを抑えることが出来ます。この場合、上流工程でのミスを発見できないことには要注意です。
1型の利用は、「工場」から出荷されたロットで、仕分けできる場合が適しています。
もしくは、「DC」の時点で、店舗別の仕分けを済ませている場合も当てはまります。
TC2型
TC2型では、入荷した商品を開梱・検品し、店舗別にピッキングを行います。ピッキングの後に、発送を行うことです。
2型は、ピッキングを行うことが前提なので、「工場」の出荷ロットのまま発送できない場合に使われます。もしくは、「DC」で方面別に発送されており、再度店舗別にピッキングされている場合などにも利用されます。
※多品種大量出荷などにより、「DC」で店別まで発送できないことがあります。その場合、「DC」で方面別に仕分けを行い、「TC2型」で店舗別に2度目の仕分けを行うことがあります。
TC1型と配送センターの違い
TC1型もクロスドッキングレベルになると、店舗別の仕分けのみであるため、配送センターと業務内容に違いはありません。ただ、業務目的や費用の算出方法が異なります。
業務目的について
配送センターは、運送会社・事業部の管轄です。業務の主体は、効率的な配送計画による貨物の輸配送にあります。
これに対して、TCは「3PL」や「倉庫」の会社・事業部の管轄です。もしくは、自社倉庫を持つ会社の管轄です。業務の主体は、「無駄な運送距離の排除」や「品質管理」にあります。配送センターでの業務費を排除することで、運賃の交渉が可能になります。加えて、トラックのチャーターを行えば、直接目的地に商品を運ぶことが出来て、リードタイムの削減になります。
また、配送センターでは扱いきれない商品の「品質管理」も行われます。
費用算出について
運送会社・事業部では、作業料も込みで運賃タリフに組み込まれます。
一方で、TCの費用は、「管理費や作業料」と「運賃」は別々になります。物流アウトソーシングの場合、別途でゲインシェアリングの費用が加算されます。ゲインシェアリングとは、効率化前と効率化後の差額利益を「荷主」と「センター」で折半することです。基本的には、「作業料」もしくは「運賃」のどちらかに上乗せされて、「センター」が「荷主に」請求を行います。
※物流アウトソーシングの場合、センターフィーで料金が一律に設定されている場合もあります。
まとめ
いかがでしたしょうか?
今回は物流センターの中でも、「TC」について解説いたしました。
記事の後半で説明した、「業務目的について」や「費用算出について」は、DCでも同様のことが言えます。
また、「運送費用の削減」や「現状対応してもらえない品質管理」、「運送会社に対応してもらえない作業」などがある場合、「物流アウトソーシング」や「自社物流」を検討することをお勧めします。
当社は流通加工やEC対応業務を得意とした「DC」です。
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