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2022/08/03

物流のキホン:輸配送について

皆さんこんにちは!日本物流開発コラム担当です!

今回が初回となる「物流のキホン」では、私日本物流開発コラム担当が、業務の中でブラックボックス化しやすい物流について、基本的な話から裏話まで解説していきながら皆様と一緒に理解を深めていこうという企画になっています。拙い部分もたくさんあるかと思いますが、ぜひご愛読ください!!

さて、初回となる今回では、物流の6大機能の一つに数えられる「輸配送」にフォーカスを当てて解説していきます。

それではいってみましょう!

輸配送とは

輸配送とは、物流の基本的な機能とされる「物流の6大機能」のうちの一つで、「貨物をある地点から別の地点へ移動させる」ことを指します。輸配送は、文字通り「輸送」と「配送」に分かれます。

  • 輸送:「工場から物流センターや別工場へ」等のように、生産拠点から別拠点へ貨物を移動すること
  • 配送:「荷物をお客様のお手元に」、貨物を荷受人に引き渡すこと

輸送、配送、それぞれについて、もう少し詳細に解説してまいります!

輸送(1次輸送)

輸送とは、貨物をトラック等を用いて他の地点へと移動させることです。多くの人が物流と言えば、この輸送を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか?工場等の大型拠点から別の大型拠点に、コンテナトラックやフェリー等の大型車両等で貨物を運ぶ光景は、テレビで見かけたことのある方も多いと思います。かくいう私も、物流業界に入る前の物流のイメージは、まさしく「輸送」についてのイメージでした(笑)。

輸送の手段としては、①大型・中型等のトラック輸送、②コンテナによる鉄道輸送、③海上での船舶貨物輸送、④旅客機の貨物室や貨物専用機を用いた航空貨物輸送があります。

配送(2次輸送)

それに対して、配送とは、貨物を拠点から荷受人に送り届けることで、貨物の所有権が物流側から使用者側に移動することを指します。普段、日常生活の中で実際に触れあっているのはこちらになります。「宅急便でーす!」とお荷物を受け取られたことのある方は多いと思いますが、宅配便(EC業界では「ラストワンマイル」という言葉を耳にしますね!)や店舗に貨物を運ぶ場合も配送にあたります。ちなみに、ラストワンマイルとは、お客様のお手元に届く直前の物流区間のことを言い、エンドユーザーに届ける直前の配送拠点を「デリバリーステーション(DS)」と表現する企業もあります。

輸配送時における物流での課題:ドライバー不足による悪性の労働環境

今回のトピックである「輸配送」ですが、近年非常に深刻な問題に直面しています。それは、少子高齢化での労働人口不足による運び手が不足していることです。特にドライバーの不足が大きく、深刻な労働環境の悪化となっている場合が多々あります…。例えば、一か月239時間、一日16時間以上トラックドライバーの拘束禁止等が厚生労働省より発せられていますが、中には大型車を運転できるドライバーが足りず、規定の休憩時間を取ることが出来ていないドライバーの話も…。ラストワンマイルの世界でもドライバーの不足が深刻になっており、一人当たりの割当配送量の増大や新人ドライバーの育成不足等の問題が山積みの現場も多々あります…。その結果、本来エンドユーザーとのフロントラインに立つ重要な役割の配送ドライバーの教育が出来ず、度々問題行動としてメディアに取り上げられることもあります。

広告戦略等による人材の確保、働き方の見直しによる労働環境改善、そして人材教育による質の高いドライバーの養成が必要です。それと同時に、ドローンやロボットでの配送等によるDXの必要もあります。しかし、多くの運送業者では日々の荷量に追われて本腰を入れた改善が出来ていないのも現状です。

労働力問題を解決する糸口に?!フィジカルインターネットとは?

このような労働力問題を解決するための糸口として、近年「フィジカルインターネット」という概念が注目を浴びているのはご存じでしょうか?フィジカルインターネットとは、複数の企業が保有する倉庫やトラックをシェアリングし、物資を効率的に輸送しようとする、新しい「物流システム」の考え方を指します。

今まででは、基本的に「1企業様毎にトラックを用意する」ことが普通でした。そのため、倉庫に必要以上の空きスペースがあったり、トラックに積載量いっぱいまで貨物を積むことが出来ず、ムダが発生していました。 そこで、登場したのがフィジカルインターネットです。IoTやAI技術を利用し、倉庫や運搬車両の空き情報などを見える化し、同時に貨物も規格化された容器に詰めて管理します。そして標準化された貨物を複数企業でのシェアリングネットワークを用いて輸送するのです。

「倉庫間をシームレスにつなぎ、『頼んだ当日に荷物が届く』鉄壁な社会インフラを構築してみたい」というのが私の物流業界に入ったきっかけだったりして…こういう話は非常にワクワクします!まだまだ日本では浸透していませんが、欧州では、DHLをはじめとした名だたる物流企業がフィジカルインターネットの構築に尽力しています。いつか私も、日本でのフィジカルインターネット発展に大きく貢献したいですね!

まとめ

如何でしたでしょうか?お楽しみいただけましたか?

今回は、物流の中でも「輸配送」に注目して紹介してきました!

物流費の中でも、輸配送費が占める割合はおおよそ50%前後と非常に高く、お客様や次拠点に貨物を届けるという意味においても、非常に重要な業務の一つです!輸配送の中で重要なことは、「①工場等の生産・大型拠点から荷受人までどのようなルート・手段で荷物を運ぶか、②策定したルートにどのように中継地点(物流センター,配送拠点等)を配置するか」といった輸配送ネットワーク網をどういう風に構築するかが重要になります!また、そのルートを達成できるような人材を確保したり、人材育成をしたりといったことも非常に重要です。自社で物流を組む、ないしは物流業者に委託する際、こういった視点をもって物流について考えることが重要です!

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