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2022/07/01

Amazonと楽天市場の比較:Amazon編

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これからECショップを始めるとなった際、ECモールを利用することは有効な手段の一つです。今回は、数あるECモールの中でも特に有名な「Amazon」と「楽天市場」について、全3編に分けて解説・比較していきます。

前編となる今回ではAmazon出品の基礎に着目し、その特徴を解説していきます。

Amazon

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Amazon.comは世界最大規模の大手ECサイトです。2000年に日本語版サイト開設されてから日本のEC業界を牽引しており、現在日本では約16万社以上の企業様が出品している日本最大規模の大手ECモールの1つです。ニールセンデジタル社の調査によれば、Amazonの利用者は日本国内で5,370万人にもおよび、EC事業を進めていくにあたって無視できない存在となっています。

Amazonにおける出品の「キホン」:「大口」と「小口」の違いとは?

Amazonで商品を販売するには、Amazonマーケットプレイス(通称:マケプレ)へと商品を「出品」する必要があります。出品用アカウントを作成することでAmazonにて商品を販売することが出来るようになります。その際、出品形態を次の2つから選ぶことになります。

・大口出品

・小口出品

これらの特徴は以下の通りとなっています。

大口出品

このプランは、『主に毎月50点以上の商品を販売する事業者様』に向けたものとなっております。後述する小口出品とは異なり、『月額固定費4,900円+販売手数料』が発生します。

大口出品プランの特徴として、一括出品ツールや注文管理レポート機能、プライムマークの付くマケプレプライム機能が備えられています。これらの利用は今後AmazonでEC事業を拡大していく中で重要な要素であるといえます。

小口出品

このプランは、『販売商品数が49点以下の事業者様』向けのものとなっております。小口出品プランでは、大口出品のように月額固定費はかかりませんが、商品が売れるたびに100円の成約料が発生します。なお、販売手数料は大口出品と同様に発生します。主に『少量の商品を試験的にAmazonで販売したい』事業者様におすすめとなっております。

大口出品と小口出品、おすすめはどちらか?

当社がおすすめする出品形態は大口出品(一定程度の販売数を見込める場合)です。先述した通り、大口出品は月額4,900円の固定費に対し、小口出品は販売1件につき100円の成約料が発生します。そのため、月商品販売数が48点までなら小口出品が安く、販売数49点で同額、50点以上で大口出品の方がお得になってきます。月50点以上の販売が見込める場合は大口出品以外の選択肢はないと言えます。また、大口出品には一括出品ツールや注文管理レポート機能、マケプレプライム機能が利用できます。これらのオプション機能は小口出品には利用できません。特に、プライムマークの付与等については売上に大きく影響してくる要素の1つであり、付与されるには一定条件を満たさなければなりませんが、Amazonで販売戦略を実行していくには重要な要素です。

Amazonを利用するメリット3選

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集客力が高く、モールとしてのSEOに強い

通常、開発当初のECサイトは知名度が低く集客できるまでに相応の時間を要します。そのため、売上見込みがたたないような期間を長期間過ごさねばならず、「いざECサイトを立ち上げてみたけど集客出来ずにクローズしてしまった…」ということも起こり得ます。

ECモールを利用すれば、ECモール自体の集客力を利用した集客が見込めるため、自社の知名度があまり無くとも、商品を購入してもらえるユーザーを獲得しやすいメリットがあります。特に、Amazon.comは世界最大級のECモールで国内でも流通額が大きいことから、かなり大きな集客を見込める可能性があります。

店舗を構える必要がない分、商品販売までの手続きが簡単

通常、ECモールに「出店」して自社商品を販売する際、モール上に自社店舗を用意するパターンが多くあります。自社特有のオリジナリティを出すにはどんなデザインレイアウトにすれば良いのか、といった多くのことを考慮しなければなりません。しかし、AmazonのようにECモール上に商品を「出品」する場合、店舗を構えずに商品販売が出来るため、サイト作成等の手続きが必要ありません。サイトレイアウト等に対する外注コストや時間コストが削減出来れば、その分のエネルギーを商品開発や販売等、他の部分にリソースを注ぐことができます。

プライムマークをつけられるFBAの利用

Amazonでは、FBA(Fulfillment By Amazon)というサービスが提供されています。自社商品をAmazonの倉庫に発送し、そこでの保管から注文処理、出荷業務、カスタマーサポート等の一連の物流業務を一括代行するAmazonのフルフィルメントサービスです。これらを活用していくことで、発送等の物流業務から解放され、メイン業務に集中することが出来ます。利用するには代行手数料が幾らか取られますが、「Amazonでスムーズな物流をしたい」事業者の方にとって、導入する価値は非常に高いと言えます。

また、Amazon内で大きく売上を左右する「プライムマーク」が付与される「マケプレプライム機能」を利用するには、全国配送対応や週末での集荷業務必須、翌日配送の順守等、高い物流品質を達成しなければなりません。自社内で物流業務を行っていてはこちらの水準に達成することは難しく、実質FBAを利用することでしかマケプレプライム機能を利用できなくなっています。

Amazonで商品を販売する際のデメリット、注意すべきポイント3選

WEBページでのブランディングが難しい

先述した通り、Amazonのモール上には店舗という概念がなく、エンドユーザーもお店ではなく商品を検索して商品購入することがほとんどです。そのため、WEBページでのブランディングが難しく、リピーターが付きづらいデメリットがあります。

こういった問題を解決していくには、SNSやメルマガでの発信等による工夫した集客が必要です。どういったエンドユーザーをターゲットとしていくのか、というペルソナを設定し、それに合わせた集客施策を実施していくことが、Amazonでの価格競争から脱する一つの手段になります。ペルソナとなるエンドユーザーに対し、どのSNSを利用するのか、メルマガ等を活用するのかを考えながら発信していく必要があります。

また、商品を検索した際、商品価格を安い順にソートする機能や商品ページ内により安い代替ページを表示する機能もあるため、「より安く」の価格競争に陥りやすいデメリットがあります。

手数料が高く、コストがかさんでしまう

Amazonで商品を販売する際、販売手数料に意外とコストがかかってしまう点に注意が必要です。Amazonの最大固定費は月額4,900円で比較的安価です。競合の楽天市場と比較しても、固定費は安価です。ただ、その他で販売手数料が引かれてしまう点は注意が必要です。別途追求しますが、楽天市場では月額売上の一定パーセントを収めるのに対し、Amazonでは商品1点が売れるに当たり一定パーセントが請求されます。Amazon内での価格競争に巻き込まれてむやみに料金価格を下げてしまった結果、利益が削減される恐れがあります。月額の固定費と販売手数料をよく確認した上で販売費用を設定しましょう。

FBAでは幅広い流通加工に対応できない

マケプレプライム機能を利用するためにほぼ必須となるFBAですが、いくつかデメリットが存在します。その内の1つが流通加工に柔軟に対応出来ていない点です。複数商品をセットにしたり、販促品等の同梱することが出来ません。Amazonで商品販売を展開していく中で、マケプレプライム機能とその利用に必須なFBA利用に制限があるのは明確なデメリットだと言えます。

こういったデメリットは、日本物流開発でフォローさせていただくことが出来ます。販促物や細かなセット組での同梱発送等、様々な商材を取り扱ってきた幅広い実績がございます。ぜひ、一度お気軽にお問い合わせください。

Amazon出品の基礎を知り、上手に活用しよう!

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Amazonでの販売は、出品形式で店舗を用意せず出品アカウント作成だけですぐ販売することが出来ます。これからEC事業を始める事業者様にとって、Amazonの知名度を利用することは非常に重要な要素だと言えます。

またFBAを利用することで、物流業務委託やマケプレプライム機能等を利用することもでき、更なる販売活動促進にもつながります。

また、AmazonやFBAで出来ること出来ないことをしっかりと把握し、場合によっては物流部門の強化や物流業務委託等といったアウトソーシングも選択肢に入れて考慮しなければなりません。 Amazonでの出品やFBAのメリット・デメリットをしっかりと理解し、上手に活用していくことが重要です。

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